開会のごあいさつ

長野大会を迎えるにあたって

会長 原田正樹

時代は、改めて「地域」である。最近の社会保障改革、教育改革はすべて「地域」に流れている。地域の福祉力、地域の教育力に期待が集まる。しかしながら、地域には多くの課題が山積し、疲弊している。「これ以上、地域に押しつけるな」という悲鳴が聞こえてくる。

とはいえ、今のまま時間さえ経過すれば、地域が元気になれるわけではない。地域の最大の財産は、そこに住む人一人ひとりである。その一人ひとりが多様性を認め合い、これからの地域や社会のあり方を模索し、課題を共有し、ともに解決していこうという活動が各地で始まっている。こうした主体的な活動に共通するのは豊かな「学び」があることである。

しかしながら、こうした動きは最近に始まったことではない。高度経済成長期、私たちを取り巻く生活が激変し、多くの課題が噴出したとき、とくに長野県の先輩たちは身近な地域にある公民館での社会教育を大切にした。地域の生活課題を学習し、解決にむけて動くという姿は児童・生徒、 学校にも広がり、現代の福祉教育の原型を作り出した。

こうした歴史や蓄積のある信州を舞台にして、本学会が開催できることは大変嬉しいことであり、意義のあることである。多くの関係者が長野大学に集い、活発な議論と新しい出会いをつくることで、政策に振りまわさ れるのではなく、政策をつくりだす原動力を創出したいものである。